正しいスタンスがとれていますか?素晴らしいスイングをしても、狙った方向とスタンスの向きが一致していなければナイスショットにはなりません。
今回のテーマは「スタンス」です。
コースには練習場のようにマットがない
打ちっぱなしの練習場、とくに日本の場合は各打席がしっかりと分かれていて、それぞれに人口マットがありますよね。足もととクラブヘッドの向きを、毎回オートマチックにセッティングすることができるようになっています。
さらには、自動でティーアップしてくれる設備のところも多くなってきています!この場合、足もとは一切動かさず!ひたすらスイングを繰り返すことができる、とっても便利な練習場も多くなってきていいます。
このシステムは、毎回ボールを手でティーにのせるような、時短につながる利便性の向上もあります。
ですが、もっとも効果的なメリットは、「スタンスの向きをオートマチックにつくらせてくれる」ということです。
打席に立ち、その打席が向いている目標物などを見つけ出す。
距離表示がされているグリーンのようなものもあれば、はるか前方にネットをささえている柱もなるでしょうし、確認さえできれば、そこに向けて打つ練習を始めることができます。
いったん始めてしまえば、そのあとの練習では、スタンスの向きをつくるという作業をする必要がない。打席を離れるのは、クラブを変えるとき、すこし休憩をはさむとき、くらいかもしれません。
ですが、再開するときも、大仰にアドレスの向きをつくり直す作業は生じません、打席を変えることがなければ、目標物も変わりませんからね。
じつは、これは相当に恵まれた環境ともいえるんですよ。
当たり前のことですが、現場となるゴルフ場、コースにはセパレートされた打席もなければ人口マットもありません。
仮に、ターゲットとなるフェアウェイやグリーンを見定めたとしても、足もとには芝生しかありません。

ティーショットを打つティイングエリアは、まだいいかもしれないですね、2つのティーマークがあって、エリアと方向性を決めてくれていますから。
ある程度の向きの参考にできる目安がありますが、そこを離れれば、そのようなものは一切ありません。フェアウェイでもラフでも、グリーン周辺のアプローチショットであっても、自分自身で目標にむけたスタンスをつくるしかないのです!
狭い空間であれば、周囲に多少の参考になるようなものをみつけることもできるでしょうが、場所は広々としたゴルフ場。目安をみつけられない開放された空間で、練習場では一切していない作業を、コースではほぼ100%を自らが設定することになります。
これは、ショットの成否を左右するテクニカルな意味合いでは、スイングの動きとおなじくらいの意味あいをもちます。
スタンスの向きが正しくなければ、狙い通りのショットはほぼ不可能になるからです。
スタンスの狂いはさまざまなミスを生じさせる
一度、ラウンドのときに、意識して同伴プレーヤーのスタンスの向きをみてください。
クラブハウスのレストランからスタートホールのティイングエリアが見えるのであれば、そのときでもいいと思います。
遠くからでもスタンスの向きくらいならば判別できますからね。
そのプレーヤーがイメージしているとおりに、ターゲットに向けて正しいスタンスの向きをつくれているプレーヤーは、実は多くありません。
アドレスのカタチそのものはつくれたとしても、土台となるスタンスの向きを合わせることが意外と困難なのです。
たとえば、2グリーンになっているホールで、左のグリーンにピンがきられていて、そこにむかってアドレスをつくるとしましょう。

そのときに、なんと右のグリーンを向いてしまっているプレーヤーもいます。
意外に思われるかもしれませんが、これは、めすらしい例ではありません。
ティーショット、セカンドショット、長い距離であればあるほど、正しいスタンスの向きがつくれていないプレーヤーは、決して少なくはないのです。
そして、スタンスの向きが正しくないと、ダイレクトにミスにつながってしまいます。
どのようなミスにつながってしまうか。それも覚えてください。前述の内容でいえば、右のグリーンを向いているので、右のグリーンに飛んでいってしまうと思いがちですが、パターンとしてはそれだけでは済みません。
目線は左グリーンに設定されていて、その方向に打つ意識は変わっていない。アドレスに入ってから、横目で狙いを再確認するときには、左グリーンをターゲットにしている。だが、スタンスは右グリーンをむいていて、あわせて肩のラインや腰のラインも右を向いてしまっている。
つまり、意識しているスイングの方向性と、スタンスの実質の方向性にズレが生じてしまっていることになるのです。このことは、想像以上に、ヘッドの軌道やフェースの向きに影響してしまいます。
結果としては、右グリーンに真っ直ぐ飛んでいくパターンだけではなく、極端なスライスやシャンクといったミスにさえつながってしまうこともあります。実は、スタンスの向きがすべてを決定づけるわけではありません。わざとターゲットより左にむけたオープンスタンスでかまえる打ち方もありますし、逆もしかり。
ちょっとだけ右を向けたクローズスタンスで、意図的にフェードボールを打つイメージをもつゴルファーもいるくらい。
ただ、そのつくりかたは、かなりハイレベルといっていいでしょう。
スタンスの向きを調整しても、肩や肘や腰のラインはターゲットに向けているのですから、相当な練習と慣れが必要になります。
基本的にはスタンスが間違えていればショットに直結しますし、思わぬミスさえ出てしまいます。
それだけに、スイングをする前に、まずは正しいスタンスをつくることに全力で集中しなければならないのです。
正しいスタンスはショットの確率を格段に向上させる
では、自分はどうなのか?
ここまで読んでもらうと、少し不安になる人もいるかもしれませんね。
白状しますが、筆者自身も、スタンスの向きでは、過去に何回も何回も失敗しています。
それも初心者の時期ではありません、いまだにちょいちょい顔をだすほど…。
そんなこともあるので、いま現在も、定期的にチェックしています。
もし、あなたが不安に思っているならば、実際にコースの現場でスタンスの向きを確かめる方法を説明しましょう。といっても、そんなにむずかしいやり方ではありません。
方法はいたってシンプル。
実際に目標を見定めて、打つつもりになって、アドレスをしてみる。そのまま足もとのスタンスを動かさずに、両足のカカトにあわせて、もっているクラブを合わせてみてください。
つま先ではありません。つま先は開いている人や真っ直ぐ前に向いている人がいるので、個性があるから参考になりにくいんです。
カカトに合わせてクラブをおいたら、それが動かないように後方に来てみる。そのクラブが向いている方向と、グリーンなどの目標物へのラインを見比べてみてください。
正しく向けていれば問題ありません。個人差というものがありますからね。あなたは、アドレスの段階で比較的誤差のないスタンスがつくれるタイプということになります。
ただ!正しく向けていない場合、意識の変革が必要です!
あくまで可能性の範囲のことになりますが、全てのショットの際に、正しいアドレスとスタンスができていないことも予想されます。
イメージ通りのスイングをしたはずなのに、ショットの結果がミスになってしまった。このようなときは、特に可能性も高いし、スタンスの方向のズレの度合いが大きかったかもしれません。
しかし、安心してください。この誤差は感覚だけのことではないので、一定の作業を設定してルーティン化すればいい。覚えてしまえば、修正も固定化も可能!
具体的には、練習場で打席のマットを頼らずに、まったく違う目標物を見つけて、そこに向くスタンスをつくる動作を繰り返すことです。
一番のおすすめは、先にヘッドのフェースの向きを合わせてから、そこに丁寧にスタンスをあわせていく手順。
アドレスの形やスイングの動きと同様、正しい手順をつかむまで、自分なりのコツを習得するように取り組んでみてください。
練習場でそれができるようになれば、コースでの誤差もかなり減ってくれると思いますよ。
さいごに
スコアアップメソッド、「①アドレスの重要性」「②プレショットルーティン」、そして今回は「③スタンスの向き」についてお伝えしました。
次のテーマ、連載④は「アドレスの仕切り直し」です。お楽しみに。
コメント